マンションを売却する以上、できるだけ高く、そしてできるだけ早く売り切りたいというのは誰もが思うところです。
不動産というものには「定価」がないため、不明確な事情や根拠によって価格は上下しやすい商品です。それはつまり、工夫次第で査定額より高値で売ることは可能ということ。
マンションは1千万単位の超大型商品ですが、(高値で)購入に至るか否かはほんの小さい差が決め手になるものです。
売却活動は不動産会社がするから……と丸投げにするのではなく、少しでも高く早く売るために売り主ができることは全てやっておきましょう。
今のうちにマンション売却しておくなら!
2020年には東京オリンピックというビッグイベントが控えており、マンションを高値で売るなら今が良いタイミングと言えます。
「イエウール」や「HOME'S(ホームズ)」といった無料で査定できるサイトを使って売却価格をチェックしておきましょう。
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高く売るには不動産会社の選定が大事
マンションを高値で売却するには、優良な不動産会社に仲介を依頼することが最も大事です。それも当たり前の話で、不動産会社がマンション売却活動の全てを行うからです。
それほど重要な不動産会社選びは、以下の点に注意することです。
- 一括査定サイトで4~5社に依頼
- 査定額の根拠で選ぶ
上記2点は、どちらもマンションを査定するとき行うことです。不動産会社の選定は査定時しかできないので、きちんと上記を理解して査定に臨みましょう。
一括査定サイトで4~5社に依頼
なぜ最初に一括査定を行い、さらに5~6社に依頼すべきなのか?
理由は以下の2つです。
- 査定の手間がないから
- 査定額の根拠を見比べられないから
1. 査定の手間がない
一括査定サイトとは、ネット上で5~6社へ同時に査定依頼できるサイトのことです。物件情報や自分のメアドなどの個人情報を入力するという数分の作業だけで、複数の不動産会社に査定依頼できます。
実は、査定依頼は個別に行うと結構な時間がかかります。電話やメールで査定依頼するにしても、各不動産会社に連絡しなければいけませんし、店舗に直接行くと更に時間がかかります。これだとマンションの売却スピードにも影響してくるので、ネットの一括査定サイトで手間なく査定依頼してしまいましょう。
2. 査定額の根拠を見比べられないから
また、複数社ではなく1社への査定依頼だと、そもそもその1社が提示した査定額の見極めができません。次項で詳しく解説しますが、査定額はその査定額を算出した根拠が大切です。
マンションの相場価格は素人だと中々分かりにくいので、複数社の査定額をヒアリングし、その査定額の根拠を見比べる必要があります。
だからこそ、1社ではなく複数社に査定依頼して、査定額とその根拠を見比べながら相場観を養わなければいけないのです。
ネットの無料査定サービスを必ず利用しよう
便利な時代になったもので、今ではネットで多数の無料一括査定サービスがあります。物件情報など入力するだけで依頼完了するので、1〜2分程度で終わるという手軽さです。
無料査定サービスは色々ありますが、大手査定サイトの「イエウール」は大手と地元密着型の両タイプの不動産会社に査定を出してもらえるのでおすすめです。
マンション売却の一歩目として一括査定サービスを利用しましょう。
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査定額の根拠で選ぶ
査定額は、決して査定額の「高さ」で選んではダメ。査定額の「根拠」で選ぶべきです。その理由は以下になります。
- 査定額で売れるとは限らないから
- 媒介契約取得を目的にしている場合があるから
- 根拠を見れば実績が分かるから
冒頭でいったように、マンションの価格は一千万円単位です。そのため、査定額が高いと数百万円の差が付くこともありますが、価格だけに惑わされないことが大切です。
査定額で売れるとは限らないから
そもそも不動産会社が提示する査定額は、あくまで売却できる目安の価格です。査定価格が高いからといって、必ずしもその価格で売れるとは限りません。
そのため、査定価格の高さで不動産会社選ぶ理由はないのです。
媒介契約取得を目的にしている場合があるから
また、査定額が高い不動産会社は、媒介契約を取りたいがためにあえて高く査定額を提示している可能性があります。媒介契約とは、売主が不動産会社に正式にマンションの仲介を依頼する契約です。不動産会社からすれば、媒介契約を結ばないとマンションの売却はできません。
そのため、売主の印象を良くして媒介契約を取ろうと、売れる可能性が低いにも関わらず、査定額を高く提示することがあります。そのような不動産会社は悪質であり、結局売れないからという理由で売却価格を下げることが多いです。
この辺りは下記記事に詳しく解説しています。
参考記事マンション売却の罠!査定金額が高すぎる不動産会社は注意すべき理由
根拠を見れば実績が分かるから
また査定額の根拠になる指標は、不動産会社の実績です。
たとえば、不動産会社が、売却しようとしているマンションの近くで最近マンションを売却したとします。その場合、まだそのエリアを検討している顧客を抱えているかもしれませんし、少なくともそのエリアの営業トークなどは確立されているはずです。
そのような実績がある不動産会社は、マンションを高く・早く売れる可能性が高まるので、実績があるかないかは重要です。査定額の根拠を見れば実績が分かるので、それは結果的に高く・早くマンションを売ってくれる不動産会社を選定しやすくなるということです。
参考記事こんな会社は注意!マンション売却で失敗しない不動産屋選びのポイント
下手な安売りをしないよう「3つの価格」を設定しておく
少しでも高くマンションを売却するためには、売却スケジュールに応じた価格戦略が非常に大事です。
基本的なセオリーとして、マンション売却では「3つの価格」を想定しておくことが大事です。
- 売りたい価格
- 売れる価格
- 売らなきゃいけない価格
この3つです。
1. 売りたい価格
「売りたい価格」というのは、売り主の希望売却価格です。
このくらいで売れれば、住宅ローンも完済できて利益も出せるだろうなーという価格。理想の価格であり目標価格でもあります。
2. 売れる価格
「売れる価格」というのは、現実的に売れる価格です。
つまり、これが不動産屋が出してくる査定価格ですね。過去の取引実績や査定ポイントを精査し、この程度で売れるだろうという現実的な数字です。
3. 売らなきゃいけない価格
「売らなきゃいけない価格」というのは、最低限譲れない価格です。
つまり、最低でもこの金額はキープしないと住宅ローンが完済できない……売却収支をマイナスにしないための最低ラインです。
価格戦略については下記記事で具体的にまとめているので、もっと詳しくは下を参考にしてください。
参考記事マンション売却は価格設定が超大事!価格変更のタイミングと戦略
【補足】リフォームした方が高く売れるのか?
売却価格を上げるシンプルな手段として「リフォーム」がありますが、高く売るためのリフォームは正直あまりおすすめできません。
理由として、リフォームをしたからと言ってリフォーム代がそのまま売却価格に乗せられるわけではないし、それなりに大規模なフルリフォームに近くなると、リフォーム代を+αの売却費でペイできないリスクが高くなるからです。
リフォーム代を150万かけても、売却価格がせいぜい+100万なら50万の赤字になります。こうしたケースも多いので、リフォームで売却価格を上げるのはそこまで得策ではありません。
(部屋がダメージ受けすぎている場合は話が別です)
リフォームするメリットデメリットなどは下記記事を参考にしてください。
マンションを早く売る条件|売れやすい時期と広告活動
マンション売却にかかる期間は平均3ヶ月と言われていますが、これは物件によってもマチマチですし、時期や競合物件の有無にも大きく左右されます。
ただ限られた条件の中で1日でも早く売り切るためには、「売る時期」と「広告活動」が最重要になります。
マンションが一番売れやすい時期は2月〜3月
一般的に、マンション売買が最も活発になるのは2月〜3月です。当然ながら新生活が始まる春に向けて住まいの移動が活発になるからです。
「指定流通機構の物件動向(平成31年)」のデータを見ても、2月・3月に件数がピークになっているのが分かりますね。この売り手市場の期間に勝負することで、早く・高く売れる可能性が高まります。
マンションの売却活動の期間は3ヶ月程度が目安なので、売却活動は11月〜12月の年末からスタートするのがベストなタイミングと言えます。
あるいは2月〜3月の繁盛期を狙うのが難しい場合、次の狙い目候補としては9月〜10月あたり。サラリーマンの転勤が決まるタイミングです。この場合も売却活動は2〜3ヶ月前からスタートさせるのが良いでしょう。
売却マンションの広告活動をチェック
不動産会社に売却を依頼すると、概ね以下のような広告活動をしてくれます。
- レインズ(不動産流通機構)への登録
- 不動産ポータルサイト(スーモなど)への掲載
- 自社サイトへの掲載
- チラシのポスティング
これらの広告活動がしっかり行われているかチェックしておきましょう。
とくに重要なのは「レインズへの登録」と「ポータルサイトへの掲載」です。この2つは集客に非常に大きく影響するので確実に行われていることを確認しましょう。
レインズへの登録で、他社から買い手を紹介してもらえる
「レインズ」というのは、不動産業界向けの物件情報サイトです。あらゆる物件情報が登録されているサイトで、業界の中心にある共通データベースです。
不動産会社は物件の売却を依頼されたら、依頼内容によって期限内に売却物件の情報をレインズに登録するルールがあります。
レインズにマンション情報が登録されると、他の不動産会社も売り出し情報を閲覧することができます。すると他社の抱える顧客から購入希望者を紹介してもらえるケースも多いので、いち早く買い手を見つけることができます。
レインズは業界専用の共有サイトなので一般人は見れません。なので営業担当者に確認を取りましょう。
大手ポータルサイトは最大の集客経路
今の時代、物件を探す人の半数以上がまずネット検索をすることがわかっています。なので、大手ポータルサイトに広告掲載してもらうのは必須です。
マンション名で検索すれば分かりますが、検索結果の上位に出てくるのは「SUUMO(スーモ)」や「アットホーム」「ホームズ」などの大手ポータルサイトです。これらの大手どころに掲載していないと、ネット検索している50%以上の買い手候補を逃すことになります。
これは不動産会社選びの時点での見極めポイントにもなりますが、必ず大手ポータルサイトに広告掲載している不動産会社を選びましょう。
昔ながらの老舗不動産屋とかだと、ネットに疎かったり広告費をケチったりしてポータルサイトに掲載しない不動産会社も結構ありますので。
関連記事中古マンション売却を依頼した不動産会社の広告活動の内容とは?
空室にしてから売却する方が早く売れる
売却時に売り主がまだ居住中だと、売却が長期化する傾向にあります。
やはり空室に比べて居住中の部屋は、汚かったり、家具等が置いているので部屋が狭く見えたり、内覧者が生活をイメージしにくいためです。
空室であれば不動産会社も鍵を預かることができ、簡単なハウスクリーニングをして室内の印象も大きく変えることができます。これだけでも内覧からの成約率はグッと高まるでしょう。
関連記事マンション内覧に備えたチェックリスト|買い手に好印象を与えるコツとは
ただ売却に合わせて空室にするとなると、次の引越し先を探す必要があり、費用も掛かるのでハードルが高いのも事実です。
マンションを早く高く売るために売主ができる最大の協力
売却活動は基本的に不動産会社に任せるものですが、その中で売り主にもできる協力はあります。
具体的には、以下の資料を事前に準備して営業マンへ渡しておきましょう。
- パンフレットや図面集
- 重要事項説明書や売買契約書
- 管理規約集
仮にそのマンションを中古で買った場合には、パンフレットや図面集はないかもしれませんが、そのほかの資料は手元にあるはずです。
これらの資料はマンション売却前に用意しておきます。これらを営業活動前に営業マンへ渡すことで営業力が増すため、マンションを高く・早く売りやすくなります。
各資料について少し補足説明しておきましょう。
パンフレットや図面集
パンフレットには、その物件全体の魅力が書いてあります。たとえば、マンションの構造部分の特徴や、遮音性、共用部の紹介など、マンションのあらゆる魅力が記載している良い資料です。
その資料を営業マンに渡せば営業トークにも使えますし、コピーして検討者へ配布すれば営業資料にも使えます。
また図面集を見れば、間取りだけでなく窓ガラスの種類(複層ガラスなど)や構造(コンクリート壁かどうかなど)などが分かります。図面集もパンフレットと同じく、営業トークにも使えますし営業資料にもなるというわけです。
さらに図面は必ず広告に載せるので、正確な図面が載っている図面集があると広告効果も多少上がります。
参考記事マンション売却で作成する販売図面「マイソク」の意味と重要性とは
重要事項説明書や売買契約書
重要事項説明書(重説)や売買契約書(売契)には、その物件特有の事項が記載しています。たとえば、「周辺道路に私道がある」「隣家の雨どいが越境している」などマイナス面もあるのです。
その点は、購入者に売買契約を結ぶときに説明しますが、契約日にいきなり言われて動揺する検討者もいるでしょう。
そのため、重説や売契は事前に営業マンへ渡しておき、検討段階で検討者に伝えるべき箇所がないかをチェックしてもらいます。
管理規約集
管理規約集には、そのマンション独自のルールが載っています。たとえば、「共用部は全面禁煙」や「ペットの飼育ルール」などです。
これらは検討者に事前に伝えるべく内容もありますし、伝えることでプラスになる内容もあります。そのため、営業マンに一読してもらうことで、検討者の質問に即返答できます。
検討者からの質問を一度持ち帰るかその場で返答するかで、検討度合いは大きく異なってきます。管理規約集はぶ厚いですが、営業マンなら読むべき箇所が分かるので問題ありません。
まとめ
マンション売買は非常に大きな買い物ですが、購入されるか見送られるかはほんの小さな要素で変わってくるものです。
- 不動産会社選びは妥協せず選ぶこと
- 丸投げせず、広告チェックや資料提供など協力すること
少しでも高く、1日でも早く売るためには最低限この2つは押さえておきましょう。
売却にあたっては下記の関連記事も参考にしてみてください。
参考記事マンション売却は価格設定が超大事!価格変更のタイミングと戦略
参考記事なぜ売れない?マンションの内覧見学はあるのに申込がない原因と対策
参考記事マンション売却の媒介契約はどれがいい?違いや特徴、メリットデメリット
【追伸】自宅マンションがいくらで売れそうか把握していますか?
マンションの売却を検討しているのであれば、まず最初にすることが「査定に出す」ことです。自分のマンションがおおよそどの程度の価格が付くのか分からないと、住宅ローンや住み替えなど計画が立てられません。
査定は無料でできるので損することはないですが、一応マンションを査定してもらうときのポイントが2つあります。
まず複数の会社に査定依頼して「比較」をすること。
大手と中小のどちらにも査定してもらうこと。
まず、査定依頼は必ず複数社に出すこと。不動産会社によって付ける価格はバラバラなので、それを並べて比較することで相場感が見えてきます。最低でも4社以上には査定してもらいましょう。
そして、査定は大手だけでなく中小にも依頼すること。大手は抱えるデータ数も多いですがマニュアル化されているので機械的に数字を出しがちです。対して地元密着の中小は”狭く深く”であり、地元におけるより細部の内情まで熟知しているので大手には見えない面まで査定に反映してくれます。
近年は、大手も中小も含めて複数社に一括で査定依頼できる「一括査定サービス」があるので、わざわざ複数社にコンタクトする必要はありません。
例えば一括査定サービスの大手「イエウールでは、最大6社への査定依頼がわずか60秒で終わります。
公式HPイエウール
もちろん完全無料です。ひと昔前からは信じられないほど便利な時代になりましたね。
入力も超簡単で、マンション情報を入れるだけですぐに査定開始できます。
もちろん全国対応しているので、地方の人でも安心です。提携している大手中小合わせて最大6社の対応可能な不動産会社を自動で選択して見積もりを出してくれます。
マンションの目安価格が分からないと売却するもしないも判断できないので、まずはサクッと査定してもらうことから始めましょう。
マンションバブルの崩壊が不安な人は、現在の自宅マンションの価値がどうなっているか把握しておけば、今後取るべき行動も判断しやすくなると思います。