マンション売却のコツ

中古マンション売却時にリフォームは必要か?メリットデメリットと費用について詳しいまとめ

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マンションを売却時のリフォームについては悩ましいケースも多いです。特に長年住んだマンションだと設備が傷んでいたり、壁紙や床の汚れ、たばこを吸っていた場合はヤニ汚れや臭いも気になります。

住み慣れたあなたでも気になるのなら、購入者からすればその10倍は気になります。

そうした場合はリフォームするに越したことはないものの、リフォーム代金を上乗せした価格で売却できなければ損をするのでは? といった心配もあります。悩ましいですよね。

ただあくまで一般論ですが先に結論を言うと、安易なリフォームはおすすめできないケースが多いです。

そのあたりも含め、

  • リフォームの目安
  • リフォームのメリットデメリット
  • リフォームしない方がいい理由
  • リフォームしない場合の代替案

といった点を詳しく書いていきたいと思います。

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マンション売却前にリフォームすべきかの判断目安は?

リフォームによる売却価格UPでリフォーム代の元が取れるか

マンションの場合は戸建てとは違い、外壁や屋上の防水など共用部分については管理組合で計画的に工事を行うので、共用部分についてはリフォームの必要はありません。

マンションを売却する際にリフォームを行うのは室内のみです。

マンションを買う際に購入者は内覧をしますが、購入者としては当然そのままの物件よりもリフォーム済み物件の方が印象はよいです。そのためリフォームした方が高く売れる確率は高くなります。

ただリフォーム代の元が取れるほど高値で売れなければ損するので、リフォームをするかどうかの判断は、リフォームをすることでリフォーム代以上に物件価格が上がるかどうかが目安となります。

 

物件の価値は築年数で決まる。築年数が古い物件の安易なリフォームは注意

ただし重要なこととして、マンションの資産価値(売却価格)は内装ではなく、あくまで築年数によって決まるという点は理解しておきましょう。

いくらリフォームで内装を綺麗にしても、築年数が古いとそれだけで購入者からの購入意欲はガタ下がりします。リフォームはお金さえかければ物件を新築・築浅にできる魔法ではないので注意しないといけません。

築年数が経っている物件に関しては安易なリフォームは禁物です。小綺麗にするための簡単なリフォームなら検討できますが、豪華すぎるリフォームをしてもリフォーム代をペイできない可能性が高いです。

ペットを飼っていた場合はリフォームの必要性が高まる

例えばリフォームしなければ売れないほど古く傷んだ物件であれば、「売る」ためにリフォームは必須になります。とくに室内でペットを飼っていた人はリフォームの必要性大です。

 

自分たちでリフォームしたい購入者は多い

新築ではなく中古マンションを購入する層というのは「物件の安さ」を重視しているので、事前にリフォームされているよりも、現状のまま安く購入して後から自分たちで好きなようにリフォームしたいという人たちが多いです。

加えて最近はDIY(自作)がブームになっており、リフォームすら自分でお金を掛けずにやってしまう人も増えているので、なおさら現状価格のまま安さ重視で購入したい派が増えています。

そのため物件にもよりますが、リフォームして価格上乗せで売るより、リフォームせずに現状のまま安値で売った方が買い手がつきやすいケースの方が多いかもしれません。

 

売却マンションをリフォームする具体的メリットは?

リフォームをすることで売却価格を上げることが出来る。

リフォームによって部屋を綺麗にすれば、高く売れることが期待できます。

【リフォーム代 < 物件価格の上げ幅】となるよう上手にリフォームすれば、リフォームして売った方が売却利益を増やせるケースも多いです。

ただし後述の”デメリット”で書きますが、リフォームしても期待以上に売却金額をあげるのは難しいケースが多いです。ケースバイケースですが、過度な期待は禁物なのがリフォームです。

トイレ・キッチン・風呂場など水回りを入れ替えることで、奥様など女性受けが良くなる。

マンションなどファミリー向けの物件は、購入者の最終権限は奥様など女性が握っている場合が多いです。

そのためリフォームで女性が気になるキッチン、バス、トイレ、洗面台などの設備を入れ替えていると非常に印象が良くなります。

リノベーションすることで部屋の印象(間取り)を変えることが出来る

例えば3DKの間取りで高く売れそうにない場合など、思い切って今人気の2LDKにリノベーションをすることで他との差別化が出来、購入者にリノベーション物件ということでアピールすることが出来ます。

 

売却マンションをリフォームする具体的デメリットは?

リフォームしても売却価格が上がらない場合がある。

お金をかけてリフォームをしても、リフォーム代以上に価格上乗せで売れないと結果的に損をしてしまうことになります。

そして残念なことに、いくらリフォームをしても売主の期待通りの価格まで上がることはそうありません。

先にも言った通り、マンションの価値はあくまで築年数によって決まります。築20年のマイホームをリフォームしたところで、あくまで築20年の物件であることには変わりないのです。どれだけリフォームで豪華・綺麗にしても、築浅として評価されたり新築に評価が近づくことはありません。

管理人
どれだけ中身を綺麗に装っても、購入者は「築年数」という数字に非常に重きを置くものであることを忘れずに

また、300万のリフォーム代をかけたから売却価格もプラス300万……というのも理屈もそう通りません。リフォーム代の300万にはリフォーム業者の利益分が乗っているので、その分まで売却価格に反映させる(購入者に負担させる)と割高になるからです。

以上のことを把握した上で、リフォームをする場合は不動産会社にどれだけリフォームすれば価格がどれくらい上がるのか、事前に裏付けを取っておく必要があります。

リフォームをすることで物件の評価が下がることがある。

例えば、キッチンを入れ替える際に赤色のキッチンにした場合、そこだけ浮いてしまって全体の調和を壊してしまい物件全体の評価が下がってしまうことがあります。

自身でリフォームしたい人のニーズを逃す

こちらも前述した通り、中古物件の購入者は「自分たちでリフォームするから安く買わせてくれ」というニーズが強いです。

リノベーションをして間取りや設備を自分の好みにしたい、DIYでリフォームを安く済ませたいという購入層を丸ごと逃してしまうリスクがあります。

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マンションのリフォーム代はどれくらい費用がかかるのか?

やはり、リフォームをするのに気になるのがリフォーム代です。

大規模なリノベーションをすれば数百万円掛かることもありますし、ハウスクリーニングだけで済ませば数万円で収まることもあります。

リフォーム費用の目安は下記のようになります。

キッチン ※グレードとタイプによって大きく価格は変わります。

  • ガスコンロのないタイプ:15万~20万
  • システムキッチン:50万~160万
浴室リフォーム
  • バスタブの交換のみ:25万~30万
  • ユニットバスへの交換:70万~120万
フローリング張替
  • 1畳(10㎡)工事費込:8万~15万
  • 2LDK 50㎡:40万~60万
  • 3LDK 70㎡:55万~80万
壁紙の張り替え
  • 1㎡:800円~2000円
  • 6畳(天井10㎡ 壁30㎡):3.2万~8万
トイレ
  • 7万円~30万円
  • 温水洗浄便座を取り付ける場合は3万~5万
洗面台
  • 3万~20万
フルリフォーム
  • 2LDK,3LDK:300万~500万
  • 400万前後が目安。
ハウスクリーニング
  • 2LDK:3万~7万
  • 3LDK:4万~9万

リフォームする箇所や量によってリフォーム代は大きくことなります。

マンションを売却する上で最低限しておきたいリフォームは、

  • 壁紙
  • フローリング貼替
  • ハウスクリーニング

この3つです。

その他の個所については、故障している場合などは購入者が購入後交換しないといけないので、その分の費用を値引き交渉されるケースもあります。

ただ、故障している設備だけ直すと中途半端にそこだけ浮いて見えたり、好みのものではないということでマイナス要因となる場合があります。なので故障している箇所は不動産会社にきちんと伝えて、交換するかそのまま売り出しするかを決めた方が良いです。

また中途半端なリフォームをするのであれば、費用は掛かりますが全体をフルリフォームして最新の設備を入れ、色彩も調和が取れる完成形にした方が売れるケースもあります。たとえば、新築は高いけど買えないけど内装が綺麗な物件が欲しいといった新婚さんなどの需要が見込めます。

実際に不動産会社などは、マンションを安い価格で購入した後、リノベーションをして高く販売して儲ける、いわゆる買取り再販も数多く存在するくらいなので。

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リフォームせず、リフォーム後のイメージを伝える

色々検討しても「リフォームした方がいいんじゃないか……」と思える場合は、売却前に実際にリフォームしてしまうのではなく、リフォーム会社にお願いしてリフォーム後の「イメージ」を購入者に伝えるという手段もあります。

イメージ図やパネルなんかでリフォーム後の完成形を提示できないか、リフォーム会社に相談してみましょう。ついでにプラン見積もりも取っておいた方が判断材料になります。

もちろん内覧時に部屋が綺麗に越したことはありませんが、大掛かりなリフォーム代はペイできないリスクを考えると、このくらいのリスクヘッジは必要です。

 

リフォームしないとしても、内覧時のハウスクリーニングはしておきましょう

床フローリング ハウスクリーニング

リフォームはしなくとも、内覧に際して最低限ハウスクリーニングはしておきましょう。売却を成功させるには部屋の清潔感は絶対に不可欠です。

 

購入者が部屋を内覧する際に、ハウスクリーニングをしていないと見た目の印象も悪く、こもった臭いなども気になります。ハウスクリーニングをするだけでも内見者の物件に対する印象を格段に良くなりますよ。

クリーニングならリフォームよりも費用負担は少ないですし、ハウスクリーニングの業者に頼めばかなり綺麗に清掃してくれます。

それでも内覧で申し込みに至らない……という場合は下記記事を参考にしてください。

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【追伸】自宅マンションがいくらで売れそうか把握していますか?

マンションの売却を検討しているのであれば、まず最初にすることが「査定に出す」ことです。自分のマンションがおおよそどの程度の価格が付くのか分からないと、住宅ローンや住み替えなど計画が立てられません。

査定は無料でできるので損することはないですが、一応マンションを査定してもらうときのポイントが2つあります。

まず複数の会社に査定依頼して「比較」をすること。

大手と中小のどちらにも査定してもらうこと。

まず、査定依頼は必ず複数社に出すこと。不動産会社によって付ける価格はバラバラなので、それを並べて比較することで相場感が見えてきます。最低でも4社以上には査定してもらいましょう。

そして、査定は大手だけでなく中小にも依頼すること。大手は抱えるデータ数も多いですがマニュアル化されているので機械的に数字を出しがちです。対して地元密着の中小は”狭く深く”であり、地元におけるより細部の内情まで熟知しているので大手には見えない面まで査定に反映してくれます。

近年は、大手も中小も含めて複数社に一括で査定依頼できる「一括査定サービス」があるので、わざわざ複数社にコンタクトする必要はありません。

例えば一括査定サービスの大手「イエウールでは、最大6社への査定依頼がわずか60秒で終わります。

公式HPイエウール

もちろん完全無料です。ひと昔前からは信じられないほど便利な時代になりましたね。

入力も超簡単で、マンション情報を入れるだけですぐに査定開始できます。

もちろん全国対応しているので、地方の人でも安心です。提携している大手中小合わせて最大6社の対応可能な不動産会社を自動で選択して見積もりを出してくれます。

マンションの目安価格が分からないと売却するもしないも判断できないので、まずはサクッと査定してもらうことから始めましょう。

マンションバブルの崩壊が不安な人は、現在の自宅マンションの価値がどうなっているか把握しておけば、今後取るべき行動も判断しやすくなると思います。

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