マンション売却のコツ

マンション内覧に備えたチェックリスト|買い手に好印象を与えるコツとは

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マンションを売却するときは、買い手が室内やマンションの共用部(駐車場など)を見学しにきます。これを「内覧(内見)」と言いますが、特に室内の内覧は非常に重要です。

どんなに条件のいいマンションでも、「見せ方」一つで買い手側の印象は大きく変わります。もともとの100%を磨きに磨いて120%に見せることもできれば、手を抜くと80%の印象を与えてしまう。それが「内覧」の影響力です。

今回は、買い手が内覧するとき、その部屋に良い印象を持ってもらうためのポイントを3つ解説します。

チェックリスト1:マンション室内の清掃と換気

内覧時のチェックリスト1つ目は、室内の清掃と換気です。

中古マンションは現物を見られるという強みがあるので、それを活かすためには室内の印象を良く見せることが重要になります。そのために最も効果的な方法が、きちんと室内の清掃と換気をすることになります。

フローリングとクロスの清掃

まずは、フローリングとクロス部分の清掃をしましょう。

フローリングとクロスは、視界に入る範囲が広くなるので、この部分がキレイかどうかで内覧者の印象はガラっと変わります。

とくに住居者にタバコを吸う人がいた場合、壁や天井がかなり汚れているはずです。非喫煙者から見ればタバコのヤニ汚れは生理的に最悪なので、クロスなどの張り替えや修繕は必須です。

色は白基調がベストでまとめるのがベスト。白は清潔感があり、部屋を広く見せる効果があります。自分の好みとかこだわりとかそういう基準は一切捨ててください。あくまで客観的に、購入者側の視点で整えましょう。

続いてフローリングとクロスの清掃時のポイントは以下の点です。

  • 拭き掃除まで行う
  • 市販の掃除道具を活用する
  • 出来れば傷もチェック

たとえば、フローリングは掃除機をかけただけではダメです。なぜなら、細かい箇所をチェックする内覧者はフローリングの汚れが気になるからです。

そのため、市販のフローリング用薬剤などを購入して、きちんと拭き掃除まで行いましょう。また、これはクロスにも同じことが言えます。

さらに、フローリングに傷がある場合は、できれば市販の補修材で直しておきましょう。ワックスがけをするだけでも結構違います。

あまりに大きな傷は補修が大変なので逆に放っておくべきですが、小さい傷であれば十分自分で直せます。それだけで部屋の印象は大きく変わります。

和室(畳)の修繕は?

和室のある物件で、とくに購入見込み客が高齢者の場合は「畳(たたみ)」の状態はシビアに見られます。

小さい傷はもちろんですが、和室が西側にある場合は西日で焼けているケースが多いので、そうした劣化にも気を配る必要があります。

畳ごと新調するのは結構な費用がかかるため、厳しい場合は「表替え(=畳床はそのまま、表の部分のみ新しく張り替えること)」だけでもしておきましょう。

ただし、一般的に畳は10年が交換の目安とされているので、経年劣化10年以上の場合は新調した方がいいでしょう。

水まわりの汚れは特に注意

室内の清掃でも、水まわりは特に注意すべきポイントです。なぜなら、水まわりはカビなどの汚れができやすい上に、衛生面が最も気になる箇所だからです。

そのため、キッチン・トイレ・浴室の3か所は、以下の点に注意して掃除します。

キッチンの掃除

キッチンを掃除するときは、必ず以下の箇所も行います。

  • 排水口
  • 換気扇のファン
  • コンロまわり

排水口は臭いが気になりますし、換気扇のファンをチェックする内見者もいます。さらに、コンロ周りは油汚れができやすいので必ず掃除しておきます。

トイレの掃除

トイレ掃除のポイントは、タンクの部分やクロスまできちんと掃除することです。床や便器はもちろんですが、トレイのタンクやクロスは意外と汚れているので要注意です。

浴室の掃除

浴室の掃除の際は、以下の点に注意します。

  • エプロン部分も掃除
  • 鏡も掃除
  • 水滴は拭き取る

浴槽の表面を「エプロン」といい、この部分は外して掃除することが大事。なぜなら、エプロン裏は汚れており、ここから臭いがする場合があるからです。

風呂桶は小汚い印象がとれなければ、桶だけでも取り替え交換した方がいいです。桶だけならそこまで費用はかかりません。風呂場に入る範囲で、できるだけ大きいサイズに交換しましょう。

また、鏡は水垢が付きやすい箇所なので忘れずに掃除します。

また、内覧者が来る前に浴室の水滴は必ず拭き取っておくべきです。内覧者にはなるべく生活感を感じさせないことが内覧において重要になります。

自分の家の臭いに注意!全室換気を徹底

内覧者が来る数十分前には、室内は全室換気をしておきます。真夏や真冬でエアコンをつける場合は、エアコンが空気を循環してくれるので換気しなくても大丈夫です。

自分が住んでいる家の臭いというのは、基本的に自分では気づけません。しかし確実に「あなたの臭い」はその家にしみついています。たとえば、友人の家や他人のお宅に行ったとときに独特の臭いを感じたことはありませんか? それと同じです。

マンションをはじめ、家には独特の臭いがこもりやすいです。実家や友人であれば良いですが、知らない人の家の独特の臭いは嫌なニオイと感じやすくなります。しかも嗅覚というのは脳内の記憶を司る部分に強く影響しているので、嫌なニオイは嫌な記憶となって残りやすいのです。

そのため、内覧者にマイナスの印象を与えないよう必ず換気をして臭いを逃がしておきます。どうしても臭いが取れないときは、無香料の芳香剤を置くことをおすすめします。

管理人
内覧時の掃除については、下記記事にも詳しくまとめています。

中古マンション売却の内覧時に入念に掃除すべき場所【空室/居住中のケース別】

チェックリスト2:物件資料の準備

内覧時のチェックリスト2つ目は、以下のような物件資料の準備をしておくことです。

  • パンフレットや図面集
  • 管理規約集

上記は、営業資料になるので、用意しておくことで成約率が上がります。そのため、そのマンションを購入したときの資料は全て引っ張り出しておきましょう。

パンフレットや図面集

パンフレットや図面集は、内覧者が資料としてパラパラめくりながら見学することで、物件の内容を深く理解できます。

特にパンフレットはその部屋だけでなくマンション全体の情報も載っているので、営業マンが説明できない箇所も勝手に説明してくれるというメリットもあります。

図面集も室内以外の共用部などが載っているため、内見者にとっては良い資料になります。内見者が持って帰れるように、必要な部分のコピーを用意しておくのも良いでしょう。

仮にパンフレットや図面集が手元になければ、そのマンションの広告でも良いです。

管理規約集

管理規約集には、以下の点が記載されています。

  • マンション内のルール
  • 長期修繕計画

たとえば、「ペットの飼育ルール」や「喫煙ルール」、そして「共用部の使い方」などは管理規約集に載っています。これらのルールはマンションによって異なるので、営業マンも全てを把握しているわけではありません。

そんなときに管理規約集があれば、内覧者からの質問を調べてすぐに返答ができるのです。質問を「後日返答します」にしてしまうと検討度合いが下がる可能性があるので、必ず即答した方が良いです。

そのため、管理規約集を用意して営業マンがすぐ調べられる体制を整えましょう。

チェックリスト3:リラックスして部屋を見てもらう

内覧時3つ目のチェックリストは「リラックスして部屋を見てもらうこと」です。

具体的には、以下の点に気を付けることで内覧者はリラックスして見学できます。

  • おもてなしグッズを用意
  • 売主はなるべく席を外す
  • どこでも見て良いように営業マンへ促す

おもてなしグッズを用意

おもてなしグッズとは、スリッパやメジャーなど内覧に必要なものを用意しておくことです。これだけで内覧者は売主のウェルカムモードを感じ、リラックスして見学できます。

内覧者は他人の部屋を見るわけですが、意外と緊張するものです。その緊張モードを序盤で解いてあげましょう。

売主はなるべく席を外す

売主が室内にずっといると、内覧者はどうしても売主の目が気になってしまいます。そうすると、自由に室内を見学しにくいですし、営業マンへ交渉もしにくくなります。

そのため、売主はできるだけ室内にいないようにしましょう。

たとえば、マンションの共用部にいたり、短時間でも外出したりすると、内覧者もリラックスして室内の見学ができます。

どこでも見て良いように営業マンへ促す

中古マンションの内覧は、まだそこに人が住んでいる状態で見学します。そのため内覧者は以下のようなことを気にします。

  • クローゼットなどの収納内を見ること
  • ソファなどに座ること

しかし、本当はクローゼットは広さや形状が気になりますし、ソファに座った感じも確かめたいはずです。仮に売主がいなかったとしても気兼ねする内覧者はいるので、営業マンにきちんと促してもらいましょう。

具体的には、事前に営業マンへ「収納の中も自由に見て良いですし、ソファに座るなども問題ありません」と伝えておくことです。そうすれば営業マンが上手く内覧者を誘導してくれます。

内見は居住中と空き家状態のどっちがいいの?

内見の際にまだその家に住んでいる場合、居住中の室内に案内することになります。これは仕方ないことですが、購入者目線でいうと空き家状態の方が断然印象が良いです。

やはり家具などはない方が部屋が広く見える効果がありますし、家主の生活感が残ったままだと、購入者がその家にイメージする「理想の生活」の想像力を邪魔してしまうからです。

とは言いつつ、住み替え先も決まっていない状態であれば居住中なのは仕方ありません。なるべく余計な物を排除し、掃除や手入れを入念に、清潔な状態で迎え入れましょう。

売主が内覧に立ち会う場合にやってはいけないこと

基本的に内覧時には売主は席を外した方が良いかと思いますが、中には立ち合いを希望される場合もあります。例えば購入検討者が、その家の住人からの生の情報を聞きたいときなどです。

そうしたことから売主も内覧に立ち会う際には、気をつけなければならないことがあります。

買い手側と直接交渉や承諾をしないこと

内覧の際には仲介の不動産担当者がいますが、内覧者が売主に直接アレコレと話を伺いにくるタイミングは当然あるでしょう。そうした際に、売主が不動産担当者を介さずに、買い手と直接的に何らかの条件交渉をしたり約束事をするのはNGです。

内覧当初は軽いコミュニケーションの中で発した些細な事柄でも、あとになって「あの時こう言った!言ってない!」などのトラブルに発展することがあります。担当者を通していないところでのやりとりだと、不動産会社側もなかなか助けづらいので、買い手側と話すときは気をつけましょう。

立ち合い時の服装など見た目にも気をつける

内覧にくる購入検討者は、その家の住人の人柄も非常に気にするものです。住んでいる人のレベルが低いと思われれば、そんな人が住んでいる物件のレベルも低く評価されてしまいます。

正装とは言わないまでも、立ち会う際は最低限相手にネガティブな印象をもたれないような服装や立ち振る舞いを心がけましょう。

また、部屋の整理整頓、騒ぎやすい子供は外出させておくなどの気配りも同様に大切です。

まとめ

内覧時のチェックリストをまとめておきます。

  • 室内の清掃と換気は必ず行う
  • 特に水まわりの清掃は入念に行う
  • 物件資料を用意しておき質問には即答する
  • 売主に気兼ねなくリラックスして見学してもらう雰囲気をつくる

買い手の心理として、内覧は基本的に「減点方式」です。広告やチラシを見て期待100%の状態で実物を見にくることがほとんどなので、小さい汚れや小さいストレスが見つかるごとに減点……減点……と印象が下がっていきます。

なるべく内覧者へマイナス印象を与えないよう、内覧のチェックリストは徹底しておきましょう。

管理人
内覧はあるのに、なかなか申し込みにならないという人は下記記事もチェック!

参考記事なぜ売れない?マンションの内覧見学はあるのに申込がない原因と対策

 

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