マンション売却のコツ

マンションの売却と業者買取の違いを比較|価格差や期間はどっちがお得か?

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所有しているマンションを売るには、一般に買い手を探す「売却」と、不動産業者に買い取ってもらう「買取」の2タイプがあります。

  • 【売却】:一般人の買い手を探して売る
  • 【買取】:買取専門の業者に売る

売却と買取はそれぞれにメリットデメリットがあるのですが、この違いをわかっていない方は多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、マンションの「売却」と「買取」の違いを書いていきます。

人によっては売却がおすすめのケースもあるし、あるいは買取の方が助かるケースもあります。自分の状況に合わせてどちらを検討すべきかチェックしておきましょう。

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マンション売るなら? 売却と買取の違いをチェック

まずは、売却と買取の違いを簡単に表にしてみました。

売却 買取
売る相手 一般人 買取業者
売れる価格 高く売れる 割安になる
売却期間 未知(売れるまで) 早い
売却までの手間 かかる 簡単で早い
売却後の責任 瑕疵担保責任あり なし

とくに重要なポイントとしてはこの辺りでしょう。

ちなみに、一般的にケースとして多いのは通常の「売却」です。不動産会社と仲介契約を結んで、広告を出して買い手を探して……というパターンですね。

一方で買取は、最初から買取専門の不動産業者にコンタクトを取ることもあれば、仲介会社から売却活動の途中で買取を「提案」されるケースもあります。例えば、売りに出してみたもののあまりに売れないときに「この際、業者に買い取ってもらうのはどうでしょう?」という感じですね。

重要なポイントをもう少し詳しく解説しておきます。

高く売りやすいのは通常の「売却」。買取は2〜3割安が目安。

少しでも高く売りたいなら「売却」です。通常売却であれば、売主の言い値で売りに出すことができるので当然です。ただし、それで売れるかどうか(買い手が現れるかどうか)は別問題です。

一方で「業者買取」の場合、買取金額は一般的に相場の2〜3割引きくらいになります。悪く言うと買い叩きになりますが、その代わり買い手を探す必要がなく確実に売れるのがメリットですね。

買取業者は、あなたから2〜3割安で買い取った物件をリフォームして転売します。そのリフォーム代と利益分が業者のマージンになるという仕組み。

ただ、仲介会社を挟まず最初から買取業者と契約すれば、通常売却でかかる仲介手数料がかからないので、その分の費用は多少浮きます。仲介契約を結んでいる不動産会社から買取業者を紹介された場合は、仲介手数料がかかるので注意。

急ぎですぐに売りたいなら「業者買取」

売却期間でいうと、買い手を探す必要がない業者買取の方が圧倒的に早いです。なので売却を急いでいる人ほど、多少買い叩かれても買取を選ぶメリットがあります。

一方で、仲介会社にお願いする通常売却の場合、売却期間の目安は3ヶ月〜半年くらいです。ただ、これはあくまで平均的な話で、物件によっては1ヶ月もせず決まることもあるし、逆に1年経っても一向に売れない物件もあります。

早く売りたければ値下げして売りに出せばいいですが、それだと業者買取の方が早いし確実じゃない? という点も否めないので難しいところです。

参考記事マンション売却はどのくらい期間がかかる?目安3ヶ月で売り切るために必要なこと

売却の手間がかからないのは「業者買取」

業者買取は、そのままの物件を買い取ってくれるので売却の手間がかかりません。この点も業者買取の大きなメリットです。

通常の売却だと、まず買い手を探すという手間と時間がかかります。広告展開などは仲介会社が行ってくれますが、内見の申し込みが入ったときには売主も都度対応しないといけません。せっかくの土日が内見で潰れてしまうことも多々あります。

また、少しでも高く売るためにハウスクリーニングはもちろん、必要であればリフォームをすることもあるでしょう。ここでも手間と時間とお金がかかります。

さらに、ようやく買い手が現れたと思っても、買主の住宅ローンが審査に通らなくて売却できないなんてリスクもあります。仲介会社が間に入るとはいえ、あくまで個人対個人の取引なので買い手側に振り回されるケースもあるのが通常売却です。

売却後の責任(瑕疵担保責任)の有無

一般の買主に売る通常の「売却」では、売却後に何かしらの欠陥(例えば雨漏り被害やシロアリ被害など)が見つかった場合、一定期間は売主が修復費用を負担する責任があります。これを「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と言います。

詳しく!マンション売却の瑕疵担保責任とは|期間や保証範囲・対象【雨漏り/排水設備】

売ったらお終いではなく、まだ一定期間は責任が残るので、ある意味ではスッキリしません。

これが業者買取であれば、売主が業者に対して瑕疵担保責任を追うことはありません。業者がその物件を転売して一般人に再販したとして、その場合の瑕疵担保責任は業者が負うことになります。

売却後の責任やリスクという点では、業者買取の方がスッキリ綺麗さっぱりと物件を手放すことができます。

 

業者買取のデメリットは価格だけ? どんな人が買取を選ぶべきか?

ここまで書いた通り、業者買取は「早い・簡単・売却後のリスクもなし」とメリットはかなり多いのです。むしろ、デメリットは「買取価格が相場の2〜3割安になる」という一点のみ。

ただ、このデメリットが大きいんですよね。

仮に相場3000万円のマンションを売るとして、買取だと2500万くらいに買い叩かれるとします。となると、500万円以上相当のメリットがないと業者買取を選ぶ旨味はありません。

もう一度確認しましょう。以下が業者買取の主なメリットです。

買取のメリット

  • すぐに売却できる(即現金化!)
  • 確実に売れる
  • 売却の手続き・手間が簡単
  • 売却後のリスクもなし
  • 周囲にバレないで売却できる

こうみると、やはりデメリット数百万を払ってでも取るべきメリットは「すぐに売って即現金化できる」という点ではないでしょうか。

あくまで私個人の意見ですが、「とにかく急いで売却したい」という事情があるなら買取は選択としてアリです。逆に急ぎの理由がない限りは、買取はおすすめしません。やっぱり数百万の買い叩きはデカイです。

売却を急ぐひとは、実は結構多いんです。

  • 急に転勤になった
  • 住み替え先のローンを組むために今のローン完済が必要
  • リストラや不況などで収入が激減し、ローン返済ができなくなった
  • 借金返済のために今すぐ現金が必要

などなど、理由はたくさんあります。中には株やFXなどの投資またはギャンブルで大失敗して、追証を払うためにマンションを売るハメになる人もいます。

こうした事情を持つ人たちであれば、業者買取を選ぶメリットは十分にあります。

買取保証が付いている媒介契約(不動産業者)もある

「買取保証」というのは、最初は仲介契約を結んで普通に売却活動をするものの、一定期間買い手がつかない場合は「買取」をしてもらうという契約です。

最終的には買取が保証されるので、「売れない」というリスクがないのが大きなメリットですね。

ただし、一見すると通常売却と買取のメリットを併せ持つように見える買取保証ですが、悪質な業者も中にはいて、保証の買取額を低く設定しておいて仲介業務でわざと手を抜いて売れないようにする(買取に持ち込む)という手口が使われたりします。

「買取保証!」という聞こえの良いキャッチコピーで釣ろうとするので、業者の見極めが大事になります。

買取業者の見極め|不当な安値で買い叩かれない方法

不当に安く買い叩かれるリスクを減らすには、「相場価格を自分で調べておく」ということが非常に重要です。相場価格を把握しておかないと、いざ買取業者に安すぎる価格を提示されても、それが安いのかどうなのかの見極めができません。

相場価格の調べ方ですが、まず複数社に無料査定してもらうこと。ネットの一括査定サイトを使えば、簡単に複数社に一括で査定依頼が出せます。

公式HPイエウール

例えば、不動産査定サイトの大手「イエウール」だと、最大6社への査定依頼がわずか60秒で終わるので、まずは簡単にマンション価格を査定して欲しいときに便利です。

こんな感じで簡単に査定依頼ができます(無料です)。

最低でも4社くらいから査定価格を出してもらえば、だいたい平均相場が分かりますよね。買取の場合は概ね相場価格の2〜3割安くらいになるので、査定価格から余裕を見て3割引した価格が買取相場価格になります。

査定価格が平均2000万円くらいであれば、おおよそ1400万くらいが買取相場だと思っておけばOK。それを把握しておけば、業者から1000万円と提示されたときに「安すぎる」と判断がつきます。

何も調べないで無知の状態でいくと食い物にされがちなので、最低でも査定価格と買取相場だけは自分で調べておいてください。

マンション売却の一歩目として一括査定サービスを利用しましょう。

 

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まとめ

業者買取はメリットも多数ありますが、それら全てを上回りかねない「2〜3割安になる」という特大デメリットがあるのが特徴です。一般的には通常の仲介契約での売却が多い通り、「急ぎで売却しないといけない」という事情がある人以外は、あまりおすすめできません。

ただし、仲介契約で売却活動をしていても、買い手の反応が悪く売れそうにないと、仲介会社から業者買取を提案されるケースもあります。

ただ、提案されるにしても売却活動を始めてまだ1ヶ月以内とかだと、ちょっと怪しいですね。買取業社と仲介会社が手を組んでる可能性がまぁまぁあります。

金額面にさえ納得できれば買取はメリットも多いので、気になれば買取価格を相談して聞いてみるだけでもしてみるといいですよ。

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