マンションを売却するときに大手不動産会社に依頼するか、地元密着型の中小不動産屋に依頼するかは誰でも考える「あるある」の1つです。
傾向としては、やはり大手不動産会社に依頼する人の方が多いですね。ただ、大手と地元中小では違った強みやコネがあるので、一般媒介契約を結ぶなら大手・中小のどちらにも依頼しておくか、そうでなくても査定の段階では大手と地元中小のどちらの不動産屋にも話を聞きに行った方がいいです。
……という話は下記記事に書きました。
-
大手か地元中小か?中古マンション売却で失敗しない不動産屋選びのポイント
マンションの売却を考えた時に、まず最初の問題が「どこの不動産屋に売却の依頼をするか?」ということです。 最初に言っておき ...
続きを見る
この記事では、どちらかというと少数派かもしれない地元密着型の中小不動産屋に依頼したときにありがちなデメリットやメリットを書いていきます。
今のうちにマンション売却しておくなら!
2020年には東京オリンピックというビッグイベントが控えており、マンションを高値で売るなら今が良いタイミングと言えます。
「イエウール」や「HOME'S(ホームズ)」といった無料で査定できるサイトを使って売却価格をチェックしておきましょう。
スポンサーリンク
【デメリット】地元密着の中小不動産屋はネット広告を打たないところも? リーチできる見込み客に差が出る
まずは、より気になるデメリットの部分から。
不動産売却においてはよく「大手でも中小でも変わらない」と言われたりします。これは、依頼した売却物件は「レインズ」と呼ばれる業界ネットワークに掲載されるので、どこの会社に依頼してもレインズに掲載されれば結局は他の不動産屋にも売却物件として情報が回るからです。
しかし、大手と中小では「広告の展開」で差が出やすいです。もっと具体的に言うと「ネット広告」です。
今の時代、不動産の情報を集めるのに過半数以上の人がネットで情報収拾しています。つまり、suumoやホームズのような大手ポータルサイトに広告を出しているのといないのとでは、リーチできる見込み客に大きな差が出るわけです。
しかし、地元で長年不動産業を営んでいるような中小の経営者はいまだにネットに疎かったりして、ネット広告の展開が(大手に比べて)イマイチだったりするんです。
例えば、ネット広告の重要性をいまいち理解せずに掲載料をケチって安いポータルサイトにしか広告を出さないとか、中にはネット広告自体を出さず、地元の人脈で買い手をさがそうとしたり、チラシをポスティングしたり、街頭に看板持って立たせたりというアナログ根性営業しかしない会社もあります。
誰もが手元のスマホで情報を検索する時代に、ネット広告を活用できないのは論外です。
さらに言うと、三井や東急のような大手だとポータルサイト以外にも自社のWEBサイトにも物件情報を掲載しているので、自社サイト経由でも見込み客にリーチできます。
しかし中小の不動産屋だと、自社のWEBサイトが20年前のホームページ? ってくらいの残念なクオリティのところも多く、更新が全くされてなかったりも当たり前なので集客力は低くなりがちです。
集客が少なくなると、やっと見つけた買い手側の発言力がどうしても強くなります。つまり、相手の値下げ交渉の力が強まるということです。
(この人を逃したら、もう次いつ買い手が見つかるか分からない……)というプレッシャーもあり、不動産屋からも「ここは値下げして売っちゃいましょう」の圧力がかかってきます。値下げを受けざるを得ない空気に持っていかれるかもしれません。
集客力が弱いとこうした力学が働くので注意が必要です。
地元密着型の不動産屋にもメリットは色々ある
こう聞くと「だったら最初から大手に頼んでおけばよくない?」と思うところですが、地元密着型の小さな不動産屋に依頼するメリットも当然あります。でなかったら、なんで中小不動産屋が今もこんなに生き残っているわけ? って話なので。
地元密着ゆえの濃い情報や人脈(富裕層との繋がりなど)を持っている
大手は良くも悪くもマニュアル化、地元密着の中小は長年の経験と「人との繋がり」で事業を営んでいます。
必然的に地元密着型の中小不動産屋の方が、そのエリアに関しては濃い情報を持っているし、その地域の地主や富裕層などとの人脈があったりします。
例えば一括査定なんかに出すと、大手と地元不動産屋とで査定価格が乖離していたりします。こうした場合は、マニュアル型の大手では見えていない情報を地元不動産屋が握っているケースもあるのです。
「査定は大手だけでなく中小にもバランスよく依頼すること」と言われるのはこのためです。
「イエウール」のようなネットの一括査定サイトなら、大手と中小合わせて5社程度にバランスよく一括依頼できるので、売却を検討するなら一括査定を使っておくと便利です。もちろん無料で依頼できます。
-
マンション売却するなら査定から!一括見積もりの依頼方法と注意ポイント
マンションを売却したいとき、まず最初にすることは査定に出すことです。査定依頼を出して見積もりを出してもらい、今のマンショ ...
続きを見る
中小不動産屋は営業力が高い|歩合制の営業マンのモチベーションが高い
大手と比較すると、中小の不動産営業マンは一部歩合制やフルコミッション(完全歩合)で働いている人が多いです。
つまり、中小の不動産営業マンはマンションを売れば売るほど給料が上がる働き方なので、必然的に営業にも力を入れてくれます。
これが大企業だと給料も安定しているので、働き方も悪く言うと「サラリーマン的」であると感じることもしばしば。まぁ会社員の人であれば「別に頑張っても頑張らなくても給料変わらないなら……」というモチベーションの在り方は理解できると思います。
イメージでいうと、大手は「待ち」の営業であり、中小は「攻め」の営業です。
大手だと広告展開も充実しているしブランド力で集客できるので、広告出して待ってれば向こうから客が集まってきます(営業=ネットに載せるくらいのところも……)。
逆に地元の中小不動産屋は、積極的に見込み客にコンタクトを取ったり街に出たりと積極的な営業活動をしてくれます。
スポンサーリンク
地元中小不動産に依頼すべきは、売却金額の安いマンション・アパート
売却金額1000万〜3000万円くらいのマンションは中小不動産屋も視野に
あくまで傾向でしかないですが、高額マンションは大手不動産屋に依頼することをおすすめしています。なぜなら、高額物件を買うような富裕層は基本的に大手ブランド信仰を持っているからです。中小の小さな不動産屋には中々きません。
それに、大手ほど利益になる高額な物件をわんさか捌いているので、大した利益にならない安い物件は扱いもザツにされたりしますからね……。
そんな安めのマンションであれば、そのレベルの価格帯を中心としている地元の中小不動産の方が売り切るノウハウを持っていたりしてスムーズに売却できたりします。
大体の目安でいうと、1000万〜3000万程度のマンションでしょうか。
一般媒介契約で地元密着中小と大手のどちらにも依頼する
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に並行して依頼できる契約タイプです。中小だけだとどうも心もとない場合は、一般媒介契約にして大手にも同時依頼しておくと安心でしょう。
もちろん、仲介手数料を払うのは最終的に仲介を依頼する1社のみなので、複数社に依頼したところで費用がかさむわけではありません。(一般媒介契約について詳しくは下記記事参照)
-
一般媒介契約のメリットデメリット|一般を選ぶべき物件と不動産業者の選び方
マンションをはじめとした不動産を売却するときには、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。 そのため不動産会社と「媒介 ...
続きを見る
ただし一般媒介契約は、不動産会社側の営業モチベーションが上がりにくいという大きなデメリットがあります。
売主からすると、複数社に依頼してみて一番良い1社にのみ仲介手数料を払えばいいので都合がいいです。しかし不動産会社からすると、一生懸命に営業活動しても最終的に選ばれなければ報酬(仲介手数料)は1円も入ってきません。つまり、売主に選ばれなければ営業にかけたコストは水の泡です。
なので一般媒介契約になると、不動産会社は報酬にならないリスクも考慮して、営業において広告コストや人件費をかけにくくなるのです。
「一般媒介で複数社に競わせた方が競争力が働く!」という意見もありますが、実際はなかなかそうなりません。むしろ大手ほど専任契約の案件を多数持っているので、わざわざ一般媒介の案件に力を入れる理由もないのです。
一社のみに依頼する「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」であれば、不動産会社も仲介手数料を取りっぱぐれる心配がないので営業に力を入れてくれます。
ただ専任・専属専任もそれはそれで、もし良くない会社に依頼してしまった場合に安易にキャンセルできないというデメリットがあります。
どちらも契約期間は3ヶ月です。それまでに契約解除しようとすると、その時点までに不動産屋が売却活動にかけた費用を違約金として支払う必要があります。
-
媒介契約を解約して不動産会社を変更したい!解約方法と違約金について
マンションや一戸建てを売却するときには、不動産会社に仲介を依頼します。その仲介を正式に依頼する契約を「媒介契約」といいま ...
続きを見る
「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」という3つの契約タイプは、それぞれにメリットデメリットがあるので、これが一番良い!という明確な答えはありません。
物件の特徴だったり、信頼できる不動産会社かどうかなど条件によって最適な契約は変わってきます。
まぁ統計的に言えば、一般媒介か専任媒介のケースが多いです。
-
マンション売却の媒介契約はどれがおすすめ?違いや特徴、メリットデメリットを比較して解説
マンションを売ろうとする時、ほぼ全ての人が不動産会社に売却を依頼する契約をします。その契約のことを「媒介契約」と言います ...
続きを見る
まとめ|最終的には営業マンの質で決めればOK
高額マンションであれば大手の方が有利かなと思いますが、一般的なマンション〜安めのマンションであれば大手にも地元密着型の中小にもメリットデメリットがあります。
元も子もないことを言うと、マンション売却の成否は依頼する「会社」ではなく「担当営業マンの力量」によって大きく左右されます。
大企業に安定と仕組みによりかかっているだけの無能な営業マンもいれば、中小不動産の中でフルコミッション(完全歩合)で年収数千万を稼ぎまくってる個人事業主のような腕利き営業マンもいます。
なので、結局はどちらにも話を聞きに行って、営業マンを見て決めるのが一番良いですね。
【追伸】自宅マンションがいくらで売れそうか把握していますか?
マンションの売却を検討しているのであれば、まず最初にすることが「査定に出す」ことです。自分のマンションがおおよそどの程度の価格が付くのか分からないと、住宅ローンや住み替えなど計画が立てられません。
査定は無料でできるので損することはないですが、一応マンションを査定してもらうときのポイントが2つあります。
まず複数の会社に査定依頼して「比較」をすること。
大手と中小のどちらにも査定してもらうこと。
まず、査定依頼は必ず複数社に出すこと。不動産会社によって付ける価格はバラバラなので、それを並べて比較することで相場感が見えてきます。最低でも4社以上には査定してもらいましょう。
そして、査定は大手だけでなく中小にも依頼すること。大手は抱えるデータ数も多いですがマニュアル化されているので機械的に数字を出しがちです。対して地元密着の中小は”狭く深く”であり、地元におけるより細部の内情まで熟知しているので大手には見えない面まで査定に反映してくれます。
近年は、大手も中小も含めて複数社に一括で査定依頼できる「一括査定サービス」があるので、わざわざ複数社にコンタクトする必要はありません。
例えば一括査定サービスの大手「イエウールでは、最大6社への査定依頼がわずか60秒で終わります。
公式HPイエウール
もちろん完全無料です。ひと昔前からは信じられないほど便利な時代になりましたね。
入力も超簡単で、マンション情報を入れるだけですぐに査定開始できます。
もちろん全国対応しているので、地方の人でも安心です。提携している大手中小合わせて最大6社の対応可能な不動産会社を自動で選択して見積もりを出してくれます。
マンションの目安価格が分からないと売却するもしないも判断できないので、まずはサクッと査定してもらうことから始めましょう。
マンションバブルの崩壊が不安な人は、現在の自宅マンションの価値がどうなっているか把握しておけば、今後取るべき行動も判断しやすくなると思います。