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【修繕できない】タワーマンションの修繕費地獄。積立金が足りない状況で値上げの悲劇

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最近、タワーマンションの修繕費について話題になることが増えてきました。

というのも、現在乱立しているタワマンは2000年あたりから急増し始めたもので、建設ピークが2008年ごろ。タワマンの大規模修繕はおおよそ12〜15年サイクルで行うため、ちょうど2020年〜2022年あたりで続々と大規模修繕の時期を迎えるからです。

で、高層タワマンの大規模修繕工事というのはまだ前例があまりないわけです。一体いくらかかるのか未知数な部分も多く、さらに追い打ちをかけるように建築業界の人材不足で工事費が高騰しているため「当初想定していた修繕積立金では全然足りない!」なんてことが起こっているのが今。

このままじゃ修繕工事できないぞ、と騒いでいるわけです。

修繕費が足りないとわかると、組合は住民の修繕積立金を2倍レベルで値上げしたり、追加徴収で3桁万円とか集めますよね。そうなると住民の反発も必死になってくるわ、年金暮らしの高齢者は滞納しはじめるわ、余計に積立金が集まらない……なんていう泥沼の悲劇が。

しかも、2019年10月には消費税増税でちょうどいい時期に駆け込み需要が見込めるし、2020年には五輪を控えているしということで、大規模修繕が始まる前にココらでマンションを売却してしまおう!という人たちも続出しちゃってるわけですね。

今回は、そんな大変なことになっているタワーマンションの修繕費地獄について書いていきます。

 

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2020年には東京オリンピックというビッグイベントが控えており、マンションを高値で売るなら今が良いタイミングと言えます。

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エルザタワー55の修繕費12億円!タワマンの修繕費用はめちゃ高い

2017年に修繕工事を終えたばかりのエルザタワー55

高層タワーマンションのほとんどはこれから最初の大規模修繕に入るので、タワマンの大規模修繕工事というのは前例があまりないんですよね。

その中で、2015年に大規模修繕工事を実施した貴重な事例が、タワマンの先駆け的存在でもある「エルザタワー55」です。

川口エルザタワー55

  • 【所在】埼玉県川口市元郷
  • 【戸数】650戸
  • 【階数】地下1階、地上55階
  • 【高さ】185m

Wikipedia(エルザタワー55)より引用

川口のエルザタワーは1998年建設なので、17年で最初の大規模修繕工事をしたことになりますね。工事は2015年3月着工〜2017年2月完了と丸2年もの時間を要し、工事費用は総額12億円にのぼりました。

単純計算で1戸あたりの負担は約185万円です。

参考エルザタワー55の大規模修繕は総額12億円(1戸185万円)!初タワマン修繕としての成功事例

タワマン工事は足場作りにとにかくお金がかかる

このエルザタワー55、修繕費用12億円のうち仮設足場のコストが3割を占めたらしいです。

普通の10階建くらいのマンションであれば、地上から鉄鋼の足場を組み立てて外壁の修復にあたりますが、高層タワーマンションになると高層階は足場が組めずゴンドラを使わないといけません。

ゴンドラは作業人数やスペースが限られるので、工事の効率としては非常に悪いです。しかも暴風暴雨など天候によっても危険を伴うので作業が中断されます。当然、工期が長期化するほど時間も人件費もかかり費用も高くなります。

この点がやはりタワーマンションの修繕費を食っているポイントでしょう。

建設会社は、この高層マンションの足場をどう工夫してコストを下げるかが腕の見せ所ですが、タワマンの工事事例がまだ少なすぎるので、技術が確立していくのはまだこれからでしょう。

管理人
ちなみに、エルザタワー55は1回目の大規模修繕(12億円)はプールしていた修繕積立金などで何とか賄えたらしいですが、次回の大規模修繕費用が足りない見通しで、今から修繕積立金の値上げ検討に入っているらしいです。。。

エルザタワー55について詳しくはこちら

参考記事
エルザタワー55
エルザタワー55の大規模修繕は総額12億円(1戸185万円)!初タワマン修繕としての成功事例

(写真出典:https://www.rehouse.co.jp/) 今や乱立しているタワーマンションの先駆けと言えるのが ...

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機械式駐車場も相当のメンテナンス費用がかかる

駐車場

マンションの修繕費用の中で意外なほど高額なコストがかかるのが「機械式駐車場」です。

昇降機を利用した複数階建ての駐車場は修理やメンテナンスに100万円単位のコストがかかるため、機械式駐車場があるマンションは修繕コストが高くなります。当然タワーマンションともなれば機械式駐車場が多いのは言うまでもないですよね。

こうした駐車場のコストは、駐車場を利用していない住民も平等に負担しないといけないので車を持っていない人には不満が溜まりやすいポイント。しかし仕方ありません。

 

毎月の修繕積立金は、修繕工事が近づくにつれて値上げされる

修繕積立金の3つの積み立て方式

まず、修繕積立金の積み立て方式というのは3パターンあります。

  1. 均等積立方式:
    →途中で値上げせずに毎月同じ金額を積み立てる一般的な積立方式。積立金額は、長期修繕計画に基づき、修繕費用を大規模修繕実施までの月数で割って算出する。
  2. 段階増額積立方式:
    →数年ごとに修繕積立金が値上げされていくケース。多くのマンションはこの方式。
  3. 一時金徴収方式:
    →普段から積み立てている修繕積立金とは別に、修繕工事の直前にまとまった金額を追加で徴収する方式。月々の積立金は安い代わりに、直前の徴収金が100万単位の負担になることも。

タワーマンションの場合は、大規模修繕が近づくに連れて購入当初の額から段階的に値上げされる「段階増額積立」のケースが多いです。

それもちょっと値上げレベルではなくて、2倍〜3倍以上に跳ね上がる例もあるくらいです。

 

修繕積立金が段階的に値上げされる理由

例えば、タワマン地獄と化したことでお馴染み武蔵小杉の「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」↓

59階建で神奈川県で3番目に高い建築物であるほどの超高層タワーマンションですが、修繕計画を見直したら修繕費用が全然足りないことが発覚して、2013年に毎月の修繕積立金が2.5倍に値上げされました。

タワマンの修繕積立金なんて元から高いので、そこから2倍3倍にされると毎月の負担増は半端じゃありません。

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で、タワマンに限らず、なぜ修繕積立金があとから値上げされるかというと理由は2つあって、

1つは、長期的な修繕計画(コスト算出)を予想するのが難しいこと。

とくに現在は景気の影響もあって建築業界全体が空前の人手不足で人件費高騰しており、それに伴い修繕費も高騰します。また、そもそもタワマンの大規模修繕は前例が少ないために試算が難しいこともあります。

 

2つ目は、販売時はあえて修繕積立金を安くしておくことで購入率をあげるためです。

マイホームを買うときは皆んなシビアなので、修繕積立金など固定費が高いとネックになります。そこで、修繕積立金は後から値上げすればいいから、販売時だけ安く見せて購入を促そうという目論見。それでいて「タワマンは戸数が多いから1人あたりの負担は少ないですよ」なんて営業トークを使う。なかなかイヤらしい業界の慣習です。

 

このように、タワマンの大規模修繕ラッシュを前にしてどんどん積立金が値上げされるものだから、高齢者が支払えなくて滞納し始めたり、値上げを機にマンション売却に踏み切る人も多くいます。

管理人
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今後、マンションの空室が増えるほど修繕積立金の負担も増える

マンションの修繕積立金は、マンション内の空室が増えるほど一人当たり(一戸あたり)の負担額が増えます。住人の数が減ろうが共有設備の修繕にかかるコストは変わらないので、「今いる住民」で費用を負担しなければいけません。

言わずもがな、日本は今後の人口減少はどうやっても抗えない確定事項であり、空き家率は現在進行形で増加中です。約10年後の2030年には全国の空き家率が30%に達するという予測も出ている深刻レベル。

地方の古いマンションに比べたら、都心のタワマンは空き家リスクは少ないですが、現状タワーマンションは「作られすぎ」であり、完成在庫(マンションが完成したのに売れていない戸数)が積み上がっている状況なので油断はできません。

正直なところ、今後、修繕積立金の負担が増えることはほぼ確定事項。少なくとも今より負担が減ることはないでしょう。

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マンション売却したら管理費や修繕積立金は返金される?

たまに質問されるのですが、マンションを売却したとしても、それまで積み立ててきた管理費や修繕積立金が返金されて戻ってくることはありません。(売却月の引き渡し日〜月末までの分であれば日割りで買主側に払って貰えます)

修繕積立金に関しては「積み立て」という言葉から、売却したら積立してきた分が戻ってくると勘違いしている人も結構いるのですが、積立貯蓄しているのは管理組合であって、住民は普通に組合に「支払って」いるお金です。

管理費や修繕積立金については管理規約に記載がありますが、そこにも「管理や積立金は返還しない」という旨が書いてあると思います。

管理費ならまだしも、修繕積立金は大規模修繕工事を経験しなかった人にとっては「払い損」で終わるので悔しい気持ちは分かりますが…‥仕方ありません。

関連管理費と修繕積立金の違いとは|売却後に返金で戻ってくるのか?

まとめ

タワーマンションは見栄っ張りな富裕層には未だに人気で、デベロッパー側も少ない土地面積に大量の人を押し込めるドル箱商品なので、未だに新築タワマンは増え続けています。

2020年東京オリンピックに向けた中央区の選手村宿泊施設なんか、五輪後は全部住宅用として供給されますからね。その数、中央区晴海の高層マンションだけで実に4000〜6000戸です。

関連マンションは2020年東京オリンピックまでに売却すべき理由。今後のマンション価格をデータで検証してみる。

「タワーマンションは値崩れしにくいので資産性が高いんですよ」とか売り文句だけが目立ちますが、実はその裏で、積立金の負担増だったり、人口増加による駅の混雑、保育園の争奪戦などタワマン住民ならではの苦労も多いのです。

下記記事でも書きましたが、意外とタワマン購入して後悔している人って多いんですよね。

マンションの所有は10年が目安と言われますし、これから来る大規模修繕や東京オリンピック後の相場リスクを考えると、タイミング的にいまが売り時と検討している住民やマンション投資家も多いようです。

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【追伸】自宅マンションがいくらで売れそうか把握していますか?

マンションの売却を検討しているのであれば、まず最初にすることが「査定に出す」ことです。自分のマンションがおおよそどの程度の価格が付くのか分からないと、住宅ローンや住み替えなど計画が立てられません。

査定は無料でできるので損することはないですが、一応マンションを査定してもらうときのポイントが2つあります。

まず複数の会社に査定依頼して「比較」をすること。

大手と中小のどちらにも査定してもらうこと。

まず、査定依頼は必ず複数社に出すこと。不動産会社によって付ける価格はバラバラなので、それを並べて比較することで相場感が見えてきます。最低でも4社以上には査定してもらいましょう。

そして、査定は大手だけでなく中小にも依頼すること。大手は抱えるデータ数も多いですがマニュアル化されているので機械的に数字を出しがちです。対して地元密着の中小は”狭く深く”であり、地元におけるより細部の内情まで熟知しているので大手には見えない面まで査定に反映してくれます。

近年は、大手も中小も含めて複数社に一括で査定依頼できる「一括査定サービス」があるので、わざわざ複数社にコンタクトする必要はありません。

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マンションの目安価格が分からないと売却するもしないも判断できないので、まずはサクッと査定してもらうことから始めましょう。

マンションバブルの崩壊が不安な人は、現在の自宅マンションの価値がどうなっているか把握しておけば、今後取るべき行動も判断しやすくなると思います。

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