マンション売却の体験談(東京)

夫の海外転勤で杉並区で購入したばかりの新築マンションを売却した話【体験談】

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管理人
この記事では、購入して3年しか経っていない東京都杉並区のマンションを、夫の海外赴任で手放すことになったAさんのマンション売却体験談を書いて頂きました。

東京でマンション売却を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

売却したマンションの基本情報

  • 家族構成…30代の夫婦2人、ペット2匹(小型犬・ポメラニアン)
  • 売却マンションの広さ・間取り…8階建てマンションの1階・約85㎡・4LDK
  • 築年数…約3年
  • マンションの住所…東京都杉並区
  • マンションの最寄駅…東京メトロ丸の内線「方南町」駅
  • 駅からの距離…徒歩12分
  • 売却した年…2017年
  • 売却金額…約3,500万円
  • 売却活動の期間…約3ヶ月

購入したばかりのマンションを売却に至ったまでの経緯

立地と周辺環境で選択した「東京都杉並区」

結婚後まもなく、私たちが「新居」として選択した場所は東京都杉並区でした。

主人は北海道、私は大阪と言う、いわば東京とは縁もゆかりもない環境で育った2人ですが、同じ職場の同僚と言う形でご縁があり、結婚に至ったのが2014年のこと。お互い末っ子と言うこともあり、2人が働いている東京で今後しばらくは暮らすことになるという漠然とした将来への思いから、東京でマンションを購入することになりました。

私たちが杉並区を選択した3つのポイント

杉並区を選んだポイントは3つあります。

一つは、スーパーが多いこと。

東京の、特に都心部に関してはマンションの販売価格が高いこと以上に、居住環境周辺にスーパーがないことがネックでした。特に私に関しては結婚後もしばらくは働くつもりでいたため、仕事終わりでも気軽に立ち寄れるスーパーが家の近くにあるという点は必須条件でした。

 

2つ目は、始発で座って通勤できるという点です。

東京メトロ丸の内線の「方南町駅」が最寄になり、始発駅になる点はすごく魅力的でした。また、郊外へ乗り入れしている路線と違い丸の内線はすべてが地下での運行のため、比較的遅延や運休と言うケースが少ないという印象も抱いていたのもあります。

 

そして3つ目は、「ペット」の問題がクリアできたからに他なりません。

私たち夫婦は大の犬好きで、マンション購入に際しても犬が遊べる「専用庭」がある物件を希望していました。東京で専用庭のある家を探すとなると、それこそ郊外へ出るか、思い切って一戸建てを購入するかの二者択一を迫られることになります。

運のよいことに私たちが出せるギリギリの予算内で、上記3点を踏まえた物件が方南町で販売されていたので、良いタイミングと思い、一念奮起し20代最後の年に新築マンションを購入したのです。

主人の突然のタイ駐在案件

ついに理想の家が見つかり、私たち夫婦もペットたちも何不自由なく東京での新築マンション生活を謳歌していた2017年の夏。思いもよらないところから、私たちのこの生活に変化が生じることとなりました。

 

「1ヶ月後からバンコク駐在」の辞令が主人におりたのです。

 

この駐在に関して詳しい経緯は割愛しますが、そのときに私が思ったのは「このマンションを売却するかどうするか」1点に尽きます。

 

賃貸として人に貸すというのは、全く頭にありませんでした。

たとえ3年間とは言え、住み慣れて愛着がある我が家。他の見知らぬ誰かに貸すというのは、生理的に無理だと感じたのです。

それなら空き家にして、家の管理を誰かに頼むという方法もあったかもしれません。しかし冒頭で申し上げた通り、私たちの実家は東京から遠く離れた場所にあり、留守中に掃除や換気をしてくれる身内なんて存在しません。

また、そもそも何年のタイ滞在になるかわからないのに、海外の家賃と日本のローンを二重で払い続けるというのは、家計的に厳しいものがありました。

辞令が下りたその日の夜から、不動産会社探しの始まりになりました。

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査定・仲介会社選びの流れ

まずは購入した販売会社に相談

とは言いつつ、人生で初めてのマイホーム売却でしたので、何からどう手を付けていいかわからないのは主人も私も一緒です。まずはマンション購入の際にお世話になった販売会社の担当者に、電話で相談することにしました。

とても丁寧にご対応いただきました。

特に鮮明に覚えているのが、マンションの「仲介と買取」の違いに関して。

仲介と買取の違い

仲介:一般的にイメージするような、マイホームを不動産会社を仲介して一般向けに販売する手法

買取:不動産会社が買い取り、それを不動産会社がリフォーム・転売など活用する手法

この2点の違いを懇切丁寧に教えて頂きました。

前者の「仲介」は希望価格に近い形で売却できる一方、買い手を見つける必要があるので売却完了できる時期が不透明と言うデメリットがあるようです。

そして後者の「買取」は、買取価格は相場より下がるが、不動産会社が買い取るため早急な売却が期待できる、という点において大きな違いがあることがわかりました。

私たちには時間がありませんでした。ですが、金額を安く見積もられて借金が残るのはやはり嫌だったので、考えた結果、仲介の手法で売却を進めることにしました。

管理人
「買取」は、売り手が確実かつ早急に見つかる(業者に売るので)のですが、買取価格は一般的に相場の2〜3割安くらいになるケースが多いです。

  • とにかく一刻も早く売りたい
  • 諸事情により、買い手を見つけるのが難しい

といった人には提案できる方法ですね。

買取のメリットデメリットは下記記事に書いているので、ぜひ参考にしてください。

参考記事【買収】中古マンションを不動産業者が買取するメリットデメリットと注意点

ネットの一括査定サイトを利用して片っ端から問い合わせ

売却を決めた私たちは、ネットの不動産一括査定のサイト(※)を利用し、杉並区周辺の不動産会社、そして少し離れた会社まで、数多くの会社に査定をお願いすることとなりました。

多くの不動産会社に片っ端から依頼しましたが、実際に家までお越し頂き、家の中を見て、見積を取ってくれた方もいれば、メールのやり取りだけで金額を提示してきた会社もありました。

その中で最終的に、ある一社にお願いする形になりました。決め手としては「販売価格を自由に決めても良い」という担当者の一言でした。

つまり、私たちの納得のいく金額の買い手がつかなければ、売れそうになくとも条件は変更しない。適正価格のアドバイスはするけれども、値付けはあくまで私たちにお任せしますとおっしゃってくれたのです。

実は、お会いした担当者の中には横柄な方もいれば、私生活の事情に入り込んでくる方も多かったのです。少し辟易していたところでした。

その点、この担当の方は売却の良い点から悪い点まで包み隠さず話してくれましたし、最後までお付き合いするとおっしゃって頂けました。信頼できる担当者と巡り会えたことが、愛着ある物件の売却の最後の後押しをしてくれたのではないかと今では思っています。

(※)ネットの一括査定サイトって?

複数の不動産会社に、一括で査定見積もりの依頼を出せるWEBサービスです。そのほとんどが無料で査定依頼できるので、マンションの売却活動はまず一括査定に出してみるのが一歩目です。

4〜10社ほどに一括査定してもらい、提示された金額などを比較しながら実際に仲介活動をお願いする会社を選ぶという流れですね。

代表的な一括査定サイト:イエウール

私たちのマンションは特殊?!不動産屋さんは楽観視するけれども…

それともう一つ、この不動産会社にお願いする決心のきっかけは、やたらと私たちの家を褒めてくれたからという点もありました。

「杉並区で専用庭・専用駐車場付きのマンションは価値がありますよ!」

と盛んにおっしゃってくれたのです。

気を良くした私たちは、最悪値下げすれば良いというアドバイスの元、ローンの残債プラス100万円の、約3,700万円を売値目標に設定しました。

 

依頼した不動産屋さんの広告展開

http://suumo.jp

その後晴れて計画が軌道に乗り、間もなく私たちの家が実際に売りに出されることとなりました。インターネットで私たちの住所を検索すると、実際に私たちの家の販売サイトが出来上がっていました。

すこし寂しい感情にも捉われましたが、一方で、素敵な買主が見つかることを期待しながら何週間か過ごしていたのを覚えています。

その他にも、中古マンションの専門紙に私たちの物件を掲載頂いていましたし(タイミングの問題で、実際には買主が見つかった後の掲載でした)、ポスティングや店頭チラシ等にも力を入れて頂いていた様子です。

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ドキドキ!初めての内見応対は空き家状態が功を奏す

渡航前日の内見応対

売却を決心してからこれまでの日程を振り返って見ると、少し短すぎた感は否めません。

実際に不動産会社の広告を見て内見希望者が現れ、内見の対応をしたのは、家族で出発と言う日の前日のことでした。

ですがそれが今となっては、良かったのではないかと言うのが担当者の方の意見です。

もうすでに全ての家具が家にはなく、キャンキャン鳴くペット達も一足お先に空港へ連れて行って不在だったためです。内見をして頂いた方にとってはすごく広々とした間取りのイメージをもって頂けたようでした。

管理人
実際に、内見時は空き家(家がすっからかんの状態)の方が成約率は高くなります

空き家の方が広く見える効果がありますし、何もない空間の方が購入希望者が「理想の生活をイメージしやすい」からです。

内見時に気を付けたことと担当者のアドバイス

担当者の方からは、「とにかく家を綺麗にしておいてください」ということを言われていました。この点に関しては上記の通り、ちょうど引っ越しのタイミングと重なったため、余計なものも処分した後だったので、結果的には良かったのではないかと思っています。

ただ一方で、値段交渉はシビアに行うこととなりました。

内見当日に即決いただくことは出来ず、私たちがタイへ赴任してしばらくたった頃に担当者より連絡を頂いたのですが、購入希望者いわく、値引きを条件としているとのこと。

日本、タイの間でのメールのやり取りの中では、「安易な値引きは良くない」一方で、「既にタイに赴任している以上、値段交渉は私(担当者)に任せてほしい」という点をアドバイスも頂きました。

期間2ヶ月、売却価格3500万円弱で売却活動を終了

最終的には、内見から約2ヶ月後、約150万円値引きの3,500万円弱で売却と言う形に落ち着いた次第です。

目標価格だった3700万円からは200万程度妥協した形になります。

 

いよいよ契約!再び日本へ戻る

海外に居ながらにして不動産の売却も出来ると言われたけど…

実は私たちは、既に海外へ居住することが決まっていたため、必要な書類等はすべて不動産屋さんに預けた上で、いざ契約となっても帰国することなく、不動産屋さん任せでお願いしようと思っていました。

ですが実際には、やはり最後に住み慣れた家をもう一度見てみたいという想いから、契約時には帰国し、自分たちで売却手続きを進めました。

実際には赤字になったけど…

ローンの残債と合わせ、最終的な赤字(持ち出し分)は約100万円前後出ることになりました。ただ、今振り返ってみると、このくらいの損失で済んで良かったのではないかと思っています。

実際に住んだ期間は約3年間でしたが、損失分だけで考えてみると、

  • 「100万円÷36ヶ月=27,777円」

月々にすると30,000円弱で、新築のマンションに暮らせたと言うことです。

比較的値崩れが落ち着いているという東京都杉並区という立地条件も、私たちが過度に損失を被らなくて済んだ理由の一つではないかと思っています。

先に述べた通り、「始発駅」というのは東京暮らしのサラリーマンにとっては、何よりも魅力の一つのようです。

また、ハブ駅である新宿駅まで自転車で行けるくらいの距離、あるいは渋谷や吉祥寺など人気の街へもバスが通っていることで、「どこにでも出やすい街・方南町」をアピールして頂いた不動産会社の営業戦略があっての、売却だと実感しました。

まとめ

結果的には手間の面でも売却価格の面でも、想定の希望通りとは行きませんでした。しかし、何とか無事に売却を済ますことが出来たことに安堵しています。

不動産の売買に関しては、本当にタイミングが重要なのだと実感しました。

実は私たちのマンションの目と鼻の先に、新しく幼稚園が出来ることが決まっていたのです。私たち夫婦は子どもがいないため何の気にも留めていなかったのですが、購入して頂いたご家族曰く、その幼稚園の入学許可が下りたことがマンション購入の決め手になったと、話していたことを覚えています。

もしその幼稚園が出来ていなければ、未だに私たちのマンションは買い手がつかなかったのかもしれません。もし幼稚園の入学許可が下りていなければ、そのご家族とのご縁はなかったことでしょう。

タイに赴任して約1年が経ちますが、まだ日本で暮らしていた当時のマンションの様子を見ることが出来ていません。どうか素敵なご家族が大切に住んで頂いていることを願いつつ、次回の帰国時には遠目から、少しだけチラッと様子だけでも見てみたいと思います。

管理人
以上、Aさんのマンション売却体験談でした。

まだ購入して3年目の物件ということでしたが、赤字を100万程度に抑えられたのは素晴らしいですね。

新築マンションは「玄関ドアを開けた瞬間から"中古"になり、価値は大幅に下落する」と言われているので、買ったばかりのマンションを売却する際は損失は必死ですので。

幼稚園が買い手の決め手になったなど、本当に不動産はご縁だということを感じさせられる体験談でした。

【追伸】自宅マンションがいくらで売れそうか把握していますか?

マンションの売却を検討しているのであれば、まず最初にすることが「査定に出す」ことです。自分のマンションがおおよそどの程度の価格が付くのか分からないと、住宅ローンや住み替えなど計画が立てられません。

査定は無料でできるので損することはないですが、一応マンションを査定してもらうときのポイントが2つあります。

まず複数の会社に査定依頼して「比較」をすること。

大手と中小のどちらにも査定してもらうこと。

まず、査定依頼は必ず複数社に出すこと。不動産会社によって付ける価格はバラバラなので、それを並べて比較することで相場感が見えてきます。最低でも4社以上には査定してもらいましょう。

そして、査定は大手だけでなく中小にも依頼すること。大手は抱えるデータ数も多いですがマニュアル化されているので機械的に数字を出しがちです。対して地元密着の中小は”狭く深く”であり、地元におけるより細部の内情まで熟知しているので大手には見えない面まで査定に反映してくれます。

近年は、大手も中小も含めて複数社に一括で査定依頼できる「一括査定サービス」があるので、わざわざ複数社にコンタクトする必要はありません。

例えば一括査定サービスの大手「イエウールでは、最大6社への査定依頼がわずか60秒で終わります。

公式HPイエウール

もちろん完全無料です。ひと昔前からは信じられないほど便利な時代になりましたね。

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もちろん全国対応しているので、地方の人でも安心です。提携している大手中小合わせて最大6社の対応可能な不動産会社を自動で選択して見積もりを出してくれます。

マンションの目安価格が分からないと売却するもしないも判断できないので、まずはサクッと査定してもらうことから始めましょう。

マンションバブルの崩壊が不安な人は、現在の自宅マンションの価値がどうなっているか把握しておけば、今後取るべき行動も判断しやすくなると思います。

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