マンションの1階住戸というのは、購入検討者にとってデメリットがあるのは事実です。
しかし、一方で1階ならではのメリットもあるので、その点をしっかりアピールすることで1階住戸は売却しやすくなります。
そのため、営業マンだけにマンションの売却を頼らずに、自分自身でも、その部屋のアピールポイントを表現できているかチェックすることが大切になります。
今回は、そのアピールポイントを具体的に解説するので、1階住戸を売却する際の参考にしてみてください。
そのマンションならではの「1階の特典」を伝える
まずは、そのマンションならではの特典を営業マンに伝えておきましょう。マンションにもよりますが、例えば1階の部屋は以下のような特典が存在する場合があります。
1階だけの特典例
- 専用庭がある
- 大型犬の飼育OK
- バルコニーや庭から直接入れる
1階住戸は専用庭がある場合が多いです。専用庭があれば、そのスペースで子供と遊ぶことができますし、マンションによっては1階の部屋だけ大型犬の飼育が可能なケースもあります。
また、専用庭の部分と専用庭から部屋へ入る部分に玄関ドアのような鍵を付けて、オートロックを通らずに部屋へ入ることが可能な部屋もあります。
このように、まずはその部屋ならでの特典があれば必ず営業マンへアピールしましょう。
広告と営業トークでアピール
上記のような特典は、必ず広告に記載して、営業マンに「使いやすさ」を伝えます。
たとえば、専用庭が売りになるのであれば、専用庭の画像は必須です。画像が挿入できなくても、図面上に丸印をつけて目立つようにしておくなどの工夫をしておきましょう。
また、その専用庭の「広さ」をアピールできるのであれば、普段自分達がその庭を利用して行っていることを営業マンに伝えておきます。そうすれば、営業マンも検討顧客に「居住者の生の声」として伝えることができ、説得力のある営業になります。
事前に伝えておく
マンションをはじめ不動産を売却するときは、まず机上査定をして訪問査定をするという流れです。机上査定とは、周辺の成約物件を基に机の上で査定する方法で、訪問査定とは実際に室内とマンションを見て正式な査定額を提示することです。
上述したような特典があるのであれば、できれば机上査定の段階で伝えておきましょう。遅くとも、訪問査定のときに伝えておかないと、その特典部分が査定額に反映されません。
でないと本来売れる価格よりも安く売り出すことになってしまうので、特典を加味しない価格での売却になってしまいます。
管理規約を渡す
上述したような特典があるのであれば、管理規約は早めに営業マンへ渡しておきましょう。たとえば、専用庭の使い方や、大型犬の飼育ルールなどは、全て管理規約に記載してあります。
そのため、管理規約を営業マンに渡しておくことで、そのルールを営業マンが把握することができるというこです。ルールを把握しておけば、広告に反映できるかもしれませんし、検討者から質問があったときもスムーズに対応することができます。
このように、まずはその1階の部屋ならではの特典を整理し、営業マンに伝えましょう。また、その特典がきちんと広告に反映されているかの確認も重要です。
1階の陽当たりをアピールする
次に、1階住戸の陽当たりをアピールしましょう。なぜなら、1階住戸を検討する人が懸念する部分は、「陽当たり」だからです。
そのため、陽当たりに関しての質問はほぼ確実に受けるので、実際の陽当たりを、売主の立場で営業マンに伝えることが大切になります。
陽当たりが良い場合
陽当たりが良い場合には、以下の方法でアピールしましょう。
- 実際に陽が当たっている写真でアピール
- 前の建物がどのようになっているかをアピール
陽当たりが良い場合には、実際の部屋の写真を掲載するのが一番早いです。逆にいうと、広告に掲載されている写真が陽当たりをアピールできている写真がどうかを、売主の立場でしっかりとチェックしなければいけません。
また、1階住戸で陽当たりが良いということは、正面の建物との距離が離れているケースがほとんどです。そのため、正面の建物との距離などを分かりやすく明示した広告も有効になります。
さらに、実際は「冬でも昼間は電気をつけなくても明るい」など、住んでいるときの状況を営業マンに伝えましょう。そうすれば、営業マンも「1階住戸は陽当たりが悪いのでは?」と質問がきたときに、実際に住んでいる人の生の声として、検討者に説明することができます。
陽当たりが悪い場合
一方、陽当たりが悪い場合は、以下のような対策が必要です。
- 目の前の建物との目隠し
- 室内の明るさはどのくらいか
- 断熱性の説明
陽当たりが悪いのであれば、その点は検討者のデメリットと言わざるを得ないでしょう。しかし、上記の対策をすることで少しでも検討者のデメリットを解消し、売却しやすくすることが重要です。
目の前の建物との目隠し
陽当たりが悪いということは、正面にある建物との距離が近いか、方角が悪いことが挙げられます。
方角が悪いのであれば、そもそもその部屋を検討する人は陽当たりを重視しないことが多いので、大きな問題にはならないでしょう。
しかし、「南向き」にも関わらず陽当たりが悪いのであれば、せめて「フェンスには植栽がしてあるので正面の建物の居住者の目隠しになる」などの情報は必要です。要は、陽当たりが悪いものの、プライバシーは保てているという点をアピールするということです。
室内の明るさはどのくらいか
また、室内に入る光は、直射日光だけではなく空気の反射光もあります。そのため、たとえ方角が悪かったり、目の前に建物があったりしても、部屋はある程度の明るさを保っている場合もあります。
これは、実際に居住している人の意見が全てです。「冬は電気をつけるが、昼間に真っ暗になることはない」など、生の情報を営業マンに伝えておきましょう。
断熱性の説明
また、陽当たりが悪いということは、「冬は寒いのでは?」というデメリットにもつながります。そのため、そのマンションの断熱性が良ければアピールポイントになるでしょう。そのマンションの断熱性は、マンション購入時のパンフレットが一番分かりやすいです。
もしくは、「住宅性能評価書」という書類があれば、断熱等級などを示しています。いずれにしろ、そのような書類を営業マンへ渡すことが大切です。そうすれば、「陽当たりは良くないけれども、断熱性は高いので・・・」というトークで切り替えることができます。
1階は防犯性をアピールが必要
また、「陽当たり」と同様に、1階住戸は防犯性を懸念されることがあります。
本来であれば、一戸建てと同じセキュリティなのですが、マンションの2階以上の部屋よりはセキュリティが弱いのも事実です。
そのため、以下の点をきちんと営業マンに伝えておきましょう。
- 警備会社と提携している
- フェンスの高さをどの程度か
- 対策グッズは豊富にある
まずは、一戸建てと違い、マンション全体で警備会社と提携している場合が多いので、その点を伝えましょう。またフェンスも1.8m~2mほどのマンションが多く、簡単に登れないように先端を鋭利にしているケースも多いです。
さらに、たとえば「音が鳴る砂利」や「窓を割りにくくするガラスフィルム」など、防犯対策のグッズは豊富にあります。実際に利用している場合は営業マンに伝え、していない場合にも自ら探しておくと良いでしょう。
防犯性も陽当たりと同じく、1階住戸のデメリットになるのは事実です。そのため、少しでもそのデメリットが解消されるように、上記の工夫をしておくことが大切になります。
まとめ
このように、1階住戸はその部屋のメリットをきちんと伝え、デメリットに対してはカウンタートークを用意しておくが大切です。
そのカウンタートークは、居住者が実際に住んでみて感じる生の声になるので、その点は営業マンに良く伝えておきましょう。